2004.12.17「ファミコンでライブやっちゃったよ・・・」

当日の私

はたで見ているとそうは見えないという方もいらっしゃるのですが、まともじゃないくらい緊張しておりまして、 それは時々行動にも表れておりました。
それにしても初対面の方に
「ファミコンの中の人です。今日はファミコンTシャツ着てきました」
と挨拶するなんて、いい年こいた社会人としてどうかと思います。 いや、ていうかそれ挨拶なのかよ!
その後も視線はフラフラ、剥き出しの基板が刺さったファミコンを抱えて所在なさげにウロウロ、 全然空気読めないし、唐突に人に話し掛ければ言葉に詰まりと、終始挙動不審人物でした(^^;。
結局色々な方に以前からお聞きしたかったことなど、終始言葉はみんなどこかにぶっ飛んでいて、こういったチャンスが活かせない自分が本当に情けなくなりましたよ。
私は物事に挑むにあたり、準備に時間をもっとかけるべきなのでしょう。今回は心の準備が足りなかったというわけです。 良い経験になりました。

 

リハーサル

いきなり音が出ない・・・。
どうやらバッテリーバックアップでセーブしておいた曲データが消えてしまった様です。この日までのテスト結果から、「電源入れたときに無音なのはデータが消えた時」とわかっているので、あせってノートPCから再書き込みします。
この焦りで頭の中が真っ白になり、あらかじめ考えておいたMCで喋る事、初めて音楽で感動した事、おじいちゃんとお正月に遊んだ思い出、初バイトの給料で何を買ったか等、
色々と大切な事を忘れます。
そのかわり、本番ではこの経験を活かした捨て身のギャグで、MCを微妙に落とすことができました(^^;。

 

予告編「君たちに次の工程を説明しよう・・・!」

予告編の曲はナレーションを盛り上げるための曲ではあるんですが、やはり曲だけで、原曲のおいしいフレーズを凝縮した編曲を聴いて頂きたいという欲求もありました。
今回ステージに私が登場する時にはその予告編が流れるという事を事前に聞いていましたで、曲のみが流れる事を少し期待していたんですね。
そして本番で流れ出したあのズズ〜ンという少し悲壮感のある出だし!そしてそれにかぶる私のナレーション!って私の声付きかよ(笑)!
近くにいた萬Z氏に「僕の声が入ったバージョンを◎※×#?(混乱で言葉になっていない)」と詰め寄ります。
急に大男に迫られてギョッとするも萬Z氏、ニヤリとお笑いあそばせます。
まあ実はブレイク祭にそれも応募していたのでここで流れても当然なんですが・・・w。
この驚きで、改めて直前までに考えていた、MCで言う予定の粋な(ウソ)ジョークも霧消します(笑)。

 

本番(編曲について)

今回は自分なりの解釈(ここでは「良くわからないけどこんな感じ?」の意w)でテクノの風味を盛り込みました。編曲にあたり自分の中で用意した情景もあるのですが、それは置いておいて、ここではパートごとの編曲に関しての雑感を書き連ねてみます。

とにかく曲のあちこちに元曲のフレーズをちりばめております。出だしからしてディ○クシステムの曲が強引に「日本ブレイク工業〜♪」という元曲のシメの部分にすりかわります。

ディスクセット音とエラー音が繰り返される中、シーケンスやパーカッションがかぶっていくという展開は、このアレンジを企画している初めの頃からあったキモの一つなのですが、少し性急過ぎたかもしれません。
私は聴いている分には、もっと溜めて溜めて引っ張ってエエ加減にせんかい!と突っ込み入れたくなる頃におかずが入って展開、みたいな物が好きなんですけど、作るに当たってはそんなに引っ張れませんでした(^^;。
もっと耐えることを学びます(笑)。
ていうより、mckでnsfを作っている方ならご存知の恐怖の「バンク・オーバーフロー」が出ちゃったのですよ。
言ってみれば「これ以上曲を長くできまへん」とソフトにツッコまれてしまったようなものですので、冗長な部分はガンガン削っていったというわけです。

ところで、「耐久年数過ぎていく〜」のフレーズで始まるサビのようなパートは、元曲ではいわゆる「Bメロ」パートののフレーズですが、それをサビのようなタイミングで出す、という意外性を少し狙っています。
実はブレイク祭りに応募した「HeFights」と「Solitary」でもその意外なタイミングを狙う点は一緒で、前者は元曲サビの「日本ブレイク工業〜(スチールボールDADADA!に続く部分)」のフレーズがいきなり出だしにあったり、後者は元曲イントロのフレーズがサビに来ていたりします。
私はこういう細工だけで充分に楽しめてしまうのです(^^;。

しかしやはり全体を通して単調さが目立ちました。オーディエンスの方々もじっくり聴いてくれていたのだと今は自分に言い聞かせているのですが(笑)、その静けさが単調さを浮き彫りにし、私の緊張感を高めます。
(もっとも静かになった最大の原因は、演奏開始直後の私の動きの後、オーディエンスの皆さんが曲に集中して下さったからではないかと思っております。私が何をしたかは後述します)

しかしそれだけに終盤、あのカップリング曲のフレーズが出た時に(やはり意外性を狙ってみました。如何でしたか?)「おお・・・」というリアクションを受けた時には嬉しさでひっくり返りそうになりました。
が、自分の曲でトリップして失神したようにも見えかねないので、そうならないように耐えました(笑)。
なんていうんでしょう、わかっていらっしゃる観客を前に絶妙のタイミングで大技を決めたプロレスラーとはこんな気持ちなのでしょうか?(たとえが飛躍し過ぎ)

 

本番(パフォーマンス)

私は本番に弱いです。認めたくはなかったのですが実感しました(笑)。
ちょっと音声記録を聞きながら赤ペンチェックしてみます。

演奏前のMC。司会の浅葱のあさんが話題を振ってきます。
のあさん「どんな思いで(予告編の曲を)作られたのですか?」

私は張り切って長口上に突入しますが、緊張は解けていないので怪しげな事を口走り始めます。

私(テンパり中)社歌がオープニング曲、希望の丘陵がエンディング曲だとすると(この時点で段階をいくつかすっ飛ばしています。『仮想アニメ連続番組のサントラの、OP・ED曲』と言いたかったのですね、飛躍しています(笑))、『次回予告』という、次に繋がる物があればと思いまして(曲名を見ればわかることかと思います)・・・。希望の丘陵を聴いた後にこの予告編を聴けば、『よし、また来週も観よう、この時間に』と思っていただけるかと・・・(先述のアニメ番組のサントラと言う設定を説明していないので、『来週?観る?なんじゃそれ?』という状況に陥ってしまった方も居らっしゃるかと・・・)
のあさん「・・・皆さん、伝わってますよね?」
みなさん「・・・(^^;」
・・・、いつ聴いてもここは冷や汗が出ますね(笑)。ていうか全体的に私の応えはのあさんの質問に対して微妙にずれています(^^;。
その後、今回の曲の制作時間が、平日帰宅してから寝るまでの時間をやりくりしてノンビリ作ったので、一ヶ月くらいであるという話をうけて、のあさんが
「その努力と血と汗と涙が、・・・みなさんに届くでしょうか・・・?」
と、少しトーンダウンした声で綺麗に締めてくれました。
今思えばそこで曲名紹介などして曲に入れば、かなり良い雰囲気だったのですが、今ごろになってエンジンが暖まってきた私はそこで
「ただ、ひょっとすると『ぼうけんのしょ』(=ドラクエシリーズでのセーブデータのこと)が消えちゃう場合もあるんですけど・・・」
と微妙におとします。みんなワロてくれてヨカタ。

私の相棒ニューファミコン氏は本番に強い奴でした。
自宅でのテスト演奏時にはいつも(恐らく処理落ちで)モタる所も難なくクリアし、気持ちよくリズムキープしています。
その事と、最前列のオーディエンスの方が私の足元で歌うファミコン氏に注目をされているのを見て、私はひらめきました。

そして私はファミコンを置いてそっとステージのライトの外に出ました。主役は彼です。彼より目立つ事もありますまい。
・・・だったらせめてテーブルなどに乗せて後列の皆さんに見えるようにすればよかったのですが、なにぶん思いつきでやった事でして・・・(笑)。

 

それにしても、実にバラエティーに富んだライブでした。すべてのパフォーマンスの源には社歌やリアランドがあり、その点でまとまりを感じる内容でした。
オーディエンスは元ネタを隅々まで知っている上でノリの良い、きわめて質の高い方たち。
統一感のある時間と空間でした。

manzoさん、リアランドのスタッフの皆さん、wastedtimeスタッフの皆さん、出演者・オーディエンスの皆さん、楽しくも面白い時間をありがとうございました。
本当にまるで夢のような時間でありましたよ・・・。

この手のネタバレは少々みっともない部分があることは十分承知しておりますが、済んだことということでお許しください。
ここまで読んでいただいた方にもお礼を申し上げます。

 

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